
久留米で中古住宅を購入する前のチェックポイント|内見・建物状況調査・重要事項説明の基本
【結論】この記事のポイント
久留米で中古住宅を購入する前は、「建物の状態」「土地の災害リスク」「契約の中身」の3つを、契約前に確認することが大切です。
- 内見:外回り・室内・水回りを、雨漏りや傾き、においなどに注意して見る
- 建物状況調査(インスペクション):既存住宅状況調査技術者(講習を修了した建築士)が、構造や雨漏りに関わる部分の劣化などを調べる任意の調査。2018年4月から、宅建業者は媒介契約の書面にあっせんの有無を記載し、重要事項説明で調査結果の概要を説明
- 築年数:1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物は、いわゆる「新耐震基準」
- ハザードマップ:2020年8月から、水害ハザードマップ上の物件の位置の説明が重要事項説明の対象に。久留米市はWeb版ハザードマップを公開
- 重要事項説明・契約:重要事項説明は宅地建物取引士が契約前に行う。2020年4月の民法改正で「契約不適合責任」になった売主の責任の範囲も確認
法律・制度の内容は、2026年10月29日時点で国土交通省・法務省・国税庁・久留米市などの公表情報で確認したものです。実際の確認事項は物件・契約により異なります。
久留米で中古住宅を購入する流れと、確認のタイミング
中古住宅の購入は、物件探しから引渡しまでいくつかの段階に分かれます。どの段階で何を確認するかを先に知っておくと、契約前の見落としを減らせます。
特に大切なのは、売買契約を結ぶ前に建物と契約内容を確かめておくことです。
| 段階 | 主に確認すること |
|---|---|
| 物件探し・資料確認 | 価格、築年月、間取り、土地の広さ、周辺環境、ハザードマップ |
| 内見 | 建物の外回り・室内・水回りの状態、日当たり、におい、周辺の音 |
| 建物状況調査(任意) | 調査の実施の有無、実施する場合は売主の承諾と時期 |
| 購入申込み | 希望条件(価格・引渡し時期など)と、住宅ローンの事前審査 |
| 重要事項説明 | 権利関係、法令上の制限、建物状況調査の結果の概要、災害リスク、契約解除の条件など |
| 売買契約 | 代金・手付金・引渡し時期、契約不適合責任の取り決め、特約 |
| 決済・引渡し | 残代金の支払い、登記、鍵の受け取り、設備の状態 |
※一般的な流れの例です。順番や内容は、物件・売主・契約により異なります。
ポイント
「契約してから気づいた」を防ぐため、気になる点は契約前に質問し、答えを書面で確認しておきましょう。
内見のチェックポイント|外回り・室内・水回り

中古住宅の内見では、見た目のきれいさだけでなく、建物の傷み具合や使い勝手を確認します。明るい時間帯に行くと、日当たりや外壁の状態が見やすくなります。
外回り
基礎や外壁のひび割れ、屋根や雨どいの状態、敷地の水はけを見ます。隣地との境界や、道路との高さの差も確認しておきましょう。
室内
天井や壁のしみは、雨漏りの跡の可能性があります。床の傾きやきしみ、建具(ドア・ふすま・窓)の開け閉めのしやすさも確かめましょう。
水回り・設備
キッチン・浴室・トイレ・洗面所の水の出方や排水、においを確認します。給湯器やエアコンなどの設備は、引渡し時に残るものかどうかも売主に確認が必要です。
内見のチェックリスト
- 基礎・外壁に目立つひび割れや欠けがないか
- 天井・壁・押入れの中に、雨漏りのようなしみやカビがないか
- 床が傾いていないか、歩くと大きくきしむ場所がないか
- ドア・窓・ふすまがスムーズに開け閉めできるか
- 水回りの水の出方・排水・においに問題がないか
- 給湯器・エアコン・照明などの設備が引渡し後も使えるか、残るものか
- 日当たり・風通し・周辺の音やにおいを、時間帯を変えて確認したか
ポイント
内見で気づいたことは写真やメモに残し、売主や不動産会社に質問しましょう。建物の状態を専門的に知りたいときは、次の章の建物状況調査も検討できます。
建物状況調査(インスペクション)と築年数の確認

建物状況調査とは、専門家が建物の劣化や不具合の有無を調べる調査です。国土交通省の資料では、講習を修了した建築士(既存住宅状況調査技術者)が実施するものとされています。
調査の対象は、基礎や柱などの「構造耐力上主要な部分」と、屋根や外壁などの「雨水の浸入を防止する部分」です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査する人 | 既存住宅状況調査技術者(講習を修了した建築士) |
| 主な対象 | 構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分 |
| 媒介契約のとき | 宅建業者は、調査を実施する者のあっせんの有無を書面に記載 |
| 重要事項説明のとき | 調査の実施の有無と、実施している場合は結果の概要を説明(原則、実施後1年以内のもの) |
| 売買契約のとき | 構造耐力上主要な部分等の状況について、売主・買主の双方が確認した事項を書面に記載 |
※2018年4月1日施行の改正宅地建物取引業法(第34条の2、第35条、第37条)と、国土交通省「宅地建物取引業法の解釈・運用の考え方」をもとにしています。鉄筋コンクリート造などの共同住宅等は、重要事項説明の対象が実施後2年以内の調査となります。
調査は義務ではなく「任意」
建物状況調査は、必ず受けなければならないものではありません。宅建業者に義務づけられているのは、あっせんの有無の記載や、調査結果の概要の説明などです。
買主が調査を希望する場合は、建物の所有者である売主の承諾が必要です。費用や実施時期は、調査を行う事業者や物件により異なるため、事前に確認しましょう。
築年月で「新耐震基準」かを確認
建物の耐震基準は、建築確認を受けた日で見分けるのが基本です。1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物が、いわゆる「新耐震基準」の建物です。
築年月だけでは判断できないこともあるため、確認済証や検査済証などの書類の有無も確認しましょう。国土交通省は、1981年以前に建てられた旧耐震基準の建物について、耐震診断の実施を呼びかけています。
住宅ローン控除にも築年の要件があります
国税庁によると、中古住宅で住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)を受ける場合は、1982年(昭和57年)1月1日以後に建築された住宅であることなどが要件です。それより前の住宅は、耐震基準に適合することの証明などが必要になります。
※国税庁タックスアンサーNo.1211-3(令和8年4月1日現在法令等)をもとにしています。床面積や所得などほかにも要件があり、税制は年度ごとに変わることがあります。適用できるかどうかは、税務署や税理士などの専門家にご相談ください。
ポイント
調査の結果や書類の保存状況は、重要事項説明で説明される項目です。「調査をしているか」「図面や点検記録は残っているか」を早めに確認しておくと安心です。
ハザードマップと周辺環境を確認する|久留米市の場合

久留米市には筑後川などの河川があり、住まい選びでは水害や土砂災害のリスクを事前に確認しておくことが大切です。
2020年8月28日から、宅建業者は重要事項説明で、水防法に基づく水害ハザードマップ(洪水・雨水出水(内水)・高潮)上の物件の位置を示すことが義務づけられています。
久留米市のハザードマップ
久留米市は、公開型GIS「くるめMAP」でWeb版ハザードマップを公開しています。洪水・高潮・内水・土砂災害・農業用ため池のハザードマップを、パソコンやスマートフォンで見られます。
校区ごとの紙面版ハザードマップも、市のホームページで公開されています。
| マップの種類 | 確認できること(久留米市の公表内容より) |
|---|---|
| 洪水 | 水防法に基づく、想定し得る最大規模の降雨による洪水浸水想定区域と、想定される水深 |
| 内水 | 想定される最大の大雨で、排水路などから排水できずに浸水が想定される区域(市は水防法に基づくものではない旨を注記) |
| 土砂災害 | 福岡県が指定した土砂災害警戒区域・特別警戒区域 |
| ため池 | 防災重点農業用ため池が満水時に決壊した場合の浸水の想定 |
※久留米市「Web版ハザードマップ」「紙面版ハザードマップ」(2026年10月29日確認)をもとにしています。
「区域外=安全」ではありません
国土交通省は、浸水想定区域に入っていないことをもって水害リスクがないと誤解しないよう注意を求めています。久留米市のマップにも、想定区域以外でも浸水する場合がある旨が書かれています。
物件の周りの土地の高さや、避難所までの道のりも、実際に歩いて確かめておきましょう。
ポイント
重要事項説明を待たずに、物件探しの段階で「くるめMAP」を見ておくと、候補を比べやすくなります。分からない点は久留米市の担当窓口に確認できます。
重要事項説明と売買契約の基本|契約不適合責任も確認

重要事項説明とは、契約前に、宅地建物取引士が物件や取引条件の大切な点を書面で説明することです。宅地建物取引業法第35条で定められています。
説明のとき、宅地建物取引士は宅地建物取引士証を提示します。分からない言葉や気になる点は、その場で質問しましょう。
| 主な説明項目 | 確認したいこと |
|---|---|
| 登記された権利 | 所有者や抵当権などの権利が登記されているか |
| 法令上の制限 | 用途地域や建築の制限など、建て替え・増築への影響 |
| 道路・インフラ | 私道の負担、上下水道・電気・ガスの整備状況 |
| 建物状況調査 | 調査の有無と結果の概要、設計図書などの保存状況 |
| 災害リスク | 水害ハザードマップ上の位置、土砂災害警戒区域かどうか など |
| お金と契約解除 | 代金以外のお金、契約解除の条件、違約金、ローン不成立時の扱い |
※宅地建物取引業法第35条、同法施行規則をもとにした主な項目の例です。物件の種類(戸建て・マンション)によって説明項目は異なります。
契約不適合責任とは
2020年4月1日施行の改正民法で、売主の責任はそれまでの「瑕疵担保責任」から「契約不適合責任」に変わりました。引き渡された物件が、種類や品質の点で契約の内容と違う場合に売主が負う責任です。
買主は、修補などの請求、代金の減額請求、損害賠償請求、契約の解除ができる場合があります。ただし、品質などの不適合は、原則として不適合を知った時から1年以内に売主へ通知する必要があります。
特約の内容を必ず確認
個人が売主の中古住宅では、契約不適合責任を負う期間を短くしたり、責任を負わないとしたりする特約が結ばれることがあります。売主が宅建業者の場合は、宅地建物取引業法第40条により、通知期間を引渡しから2年以上とする特約を除き、民法より買主に不利な特約は無効です。
どこまでが売主の責任になるのかは、契約書と重要事項説明書で必ず確認しましょう。
重要事項説明・契約前のチェックリスト
- 重要事項説明書と契約書の案を、事前に受け取って読む時間をとった
- 建物状況調査の有無と結果の概要、図面や点検記録の有無を確認した
- ハザードマップ上の位置と、土砂災害警戒区域かどうかを確認した
- 手付金の額と、手付による解除ができる期限を確認した
- 住宅ローンが通らなかった場合の扱い(ローン特約)を確認した
- 契約不適合責任の期間・範囲と、特約の内容を確認した
- 引渡し時に残る設備・撤去されるものを書面で確認した
ポイント
重要事項説明は、契約するかどうかを判断するための説明です。納得できない点があれば、契約の前に確認することが大切です。
久留米で中古住宅を購入するときのよくある質問
ご注意ください
本記事の内容は、2026年10月29日時点で確認した公的機関の情報にもとづく一般的な説明です。個別の物件・契約での扱いは異なることがあります。
法律や税制は改正されることがあります。契約や税金の判断は、最新の情報を確認のうえ、必要に応じて弁護士・税理士などの専門家にご相談ください。
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